世界各国の首脳や富裕層の隠れた資産運用を明らかにしたパナマ文書の
問題で、各国の記者でつくる団体は日本時間の今朝、文書に記載されて
いた20万社を超える法人や関わりのあるとされる個人の名前を
公表しました。

なかには日本人とみられる名前もあり、専門家は租税回避地、いわゆる
タックスヘイブンの利用の実態を明らかにする情報だと指摘しています。

ICIJ・国際調査報道ジャーナリスト連合は日本時間の午前3時すぎ、
パナマ文書に記載されていた法人や個人の名前をホームページで
公表しました。

パナマ文書は中米パナマにある法律事務所モサックフォンセカから
流出した膨大な内部情報で今回の公表で、この法律事務所が去年までに
タックスヘイブンとされる21の国や地域に設立した凡そ21万4000社の
法人の情報が閲覧できるようになりました。

ICIJは秘密の法人とその背後にいる人々に関する史上最大の公表だと
している。なかには日本にある企業や個人が設立に関わっていると
される法人の名前や日本人とみられる関係者の名前も含まれています。

パナマ文書が先月初めに初めて報道されて以来、各国の首脳やその関係者
の隠れた資産運用の実態を次々と明らかにしていて、市民から厳しい批判を
受けたアイスランドの首相やスペインの産業相が辞任に追い込まれています。

批判の背景には経済の低迷等を理由に各国で市民の税の負担が増えている
ことがあるとされ、富裕層だけが税金から逃れることができる現状に疑問
を投げかけるきっかけとなっています。

税に詳しい青山学院大学の学長はタックスヘイブンの利用の実態を
明らかにする情報だと指摘したうえで、次のように述べています。

「普通の市民が負担している税金をこのタックスヘイブンを利用して
負担しないで済むようにしている」

ICIJが公表したデータでは、
パナマ文書に記載された21万社に及ぶタックスヘイブン等の法人のうち
日本に住む個人や日本の企業が設立に関わったり、実質的な所有者と
されたりしたものも多数ありました。

このうち日本に住所があり、氏名から日本人とみられる個人は凡そ230人
いました。大手企業の創業者や経営者とみられる名前があったほか、
名字が同じで、家族とみられる人たちもいました。

また、凡そ20の日本企業がタックスヘイブンの法人に関わっていたとみられ、
この中には大手総合商社やIT関連企業等がありました。

NHKではこれまで確認できたおおよそ20の企業や個人に取材しました。
多くのケースは海外の企業と取引したり、海外で事業を展開したりするため
にタックスヘイブンに法人を設立したと説明し、税務当局への申告も適正
に行っているとしています。

このうち元社長の名前が記載されていた西日本の鉄鋼関連会社は、
10年以上前に欧米の富裕層を対象にした小型飛行機のチャーター事業を
行うため、法人を設立したということで、この会社は節税対策ではなく、
日本よりも設立しやすいので、タックスヘイブンに会社をつくった。

財務状況等は日本の国税局に報告しており問題はないと考えていると
話しています。一方、パナマ文書に名前が出た企業や個人の中にはなぜ
記載されているのか全く心当たりがないという回答も複数ありました。

こうした中には、名義を勝手に使われたケースもあるとみられています。