年金支給額で考える老後にかかる本当に必要な「お金」


年金支給額の現状


今や、65歳以上の高齢者は約3。200万人で、国民の4人に1人が高齢者で
す。核家族化などが進み、約3。200万人の5分の1の約600万人が一人暮ら
しで、その半数にあたる約300万人が生活保護基準よりも低収入世帯である
とも言われています。

厚生労働省が発表している平成27年度の年金受給額(月額)は、国民年金のみの場
合、65。008円(老齢基礎年金額満額一1人分)。厚生年金の場合、夫が平均収入
賞与含む月額42・8万円で40年間就業し、妻がその期間全て専業主婦だった世帯が
年金を受け取り始める場合の給付水準は219。066円(夫婦2人の老齢基礎年
金を含む標準的な年金額)となります。(※この数字は右記条件の場合の支給額
です。実際に受け取る金額は、現役時代の収入の金額や未納期間により異なります。
実際に受給されるであろう金額は、年1回日本年金機構から送付されてくる「ね
んきん定期便」などをご確認下さい。)

では、老後に必要となる生活費は一体いくら必要なのでしょうか?総務省(総務
省統計局家計調査年額)が発表した、高齢無職世帯が実際に必要とする老後の
生活費は1ヶ月に平均207。370円。しかし、この金額は普通の生活のために
必要な金額であり、ゆとりをもった生活をするためには、1ヶ月354。000円
(生命保険文化センター一平成25年度生活保障に関する調査)が必要であるとも
言われています。

普通の生活や、ゆとりをもった生活の定義は人それぞれ異なりますので「そん
なに必要じゃないわ」「えI・これだけしか」という方もいらっしゃるでしょうが、この
数字はある一定の条件のもとに調査された数字です。1人ひとりに必要な金額は、
生活環境やお金に対する考え方で大きく変わってきます。

人事院が毎年、国家公務員の給与勧告を行う際に参考資料として算定した、国民の
標準的な水準を求めるために、「家計調査」等に基づき、算出した生活費は、
二人世帯で158。890円(内訳は表参照)。先ほどの数字とかなり異なることが
わかります。

老後にどうしても必要な出費


会社を退職すると生活は今までとは大きく変わります。日常の生活はもちろ
んですが、出費も大きく変わります。例えば、会社に行かなくなるので、スー
ツやワイシャツ、ネクタイなどにかかる出費は減ってきます。給与から天引きされ
ていたのであまり実感はないかもしれませんが、厚生年金料、雇用保険料、健康
保険料もその一つです。

定年後も発生する出費は、食費をはじめとする生活費、水道光熱費、家賃や住
宅ローンの残金、居住費(固定資産税、リフォーム費用)、生命保険料や損害保険
料、国民健康保険料、介護保険料、奥様が60歳未満の方は、奥様の国民年金保険
料の費用などが挙げられます。

もうひとつ、多くの方の気がかりは、定年退職後から年金を受給開始するまで
の収入がない期間かと思います。現行の年金制度では、男性は「昭和36年4月2
日以降生まれ」、女性は「昭和41年4月2日以降生まれ」の方は65歳にならないと
受給できません。60歳で会社を退職した`場合、年金を受給できるまでに5年間無
収入になる期間がありますので、5年間の生活費も考えておく必要がありますね。

自宅を担保にして老後の資金にできるリバースモーゲージ


リバースモーゲージは、高齢者が自宅を担保に、老後資金を一括もしくは年金
のような形で定期的に借り、住宅(担保不動産)を自分の死後に売却し一括で返
済する制度です。日本では1981年に武蔵野市が全国で初めて制度を導入(平
成27年3月31日をもって終了しています)しました。2002年からは厚生労働
省が2003年からは東京都も事業を開始しているほか、都道府県社会福祉協議
会などが実施しています。※厚生労働省のリバースモーゲージ「生活福祉資金(長
期生活支援資金)」、都道府県社会福祉協議会などが実施しているものに関しては、
低収入の高齢者世帯が対象になっています。

詳細は各機関にお問い合わせ下さい。このリバースモーゲージの最大のメリッ
トは、生竒ている間に返済する義務がないこと。死亡時に、遺族などが担保となって
いた自宅を売却し借入金を一括で返済します。借り入れをしている間は、自宅に住
み続けることができます。

2年ほど前から、リバースモーゲージを取り扱う金融機関が増え、東京スター
銀行、武蔵野銀行、三井住友信託銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京U
FJ銀行などが取り扱っています。金融機関により融資条件が異なりますのでご
自身の希望に合った銀行を選ぶと良いでしょう。

ただし、リバースモーゲージには、契約期間中に金利が予想以上に上昇してし
まい、借入残高が増加して、担保割れが生じる。契約時に想定した年齢よりも長
生きしたので、存命中に借入金残高が不動産評価額に達してしまう。契約期間中
に不動産価値が下落して担保割れが生じるなどのリスクがあることを知ってお
きましょう。

家を活用して、老後のために必要なお金を用意する手段は、他にもあります。
例えば、子供が独立して家が広すぎるし、庭の手入れが大変になったなどの場合で
あれば、家を売り安価な小型マンションを購入し、売買の差額分を生活費に回す
こともできます。また、持家を売却して、家賃が適正な賃貸マンションに住むこと
で、固定資産税や修繕費などのコストが減らせます。

今、何が出来るかを考えましよう


老後の生活が苦しくなる原因の一つに、「親離れできない子供を抱えている世帯」
というものがあるそうです。子供が、結婚していなくても働いているのであれば問
題はありませんが、親子共倒れになる前に、健康であれば働いてもらいましよう。

フレデリイ退職・投資教育研究所の野尻哲史所長は、老後の生活レベルを下げ
ず、生活費を下げ亘衷ワザとし、医療や
買い物に困らない生活を維持できて、物価の安い地方に移住することを提案して
います。物価が安くて、居住費が安い、そして温暖な気候、公共交通が充実してい
る地域で、おすすめは松山市とのことです。

老後の収入は年金が中心になりますが、収入を増やすには働き続けることも
選択肢のひとつですね。しかし、働き続けるには健康でいることがとても大切です。
健康でいれば、医療費も少なくてすみます。長寿社会の今だからこそ、これからの
お金のこと、そしてご自身の健康についてちょっと考えてみませんか?